内田春菊、ダメンズに懲りた女性へエール。「見る目がないって自分を責めないで」
―内田春菊さんインタビュー―
児童虐待をテーマに、2回に渡ってお話を伺ってきた漫画家・小説家の内田春菊さんは、現在4人のお子さんを育てるお母さんでもあります。
前回のインタビューで披露してくださった子育て論の中で、「子どもと私を支配しようとする男とは別れる」といったこともあったように、男性との出会いと別れも幾度か経験されています。なかにはとても酷い思いをさせられた男性もいた様子。
今回はそんな内田さんに、編集部へ「ダメンズにばかり引っかかってしまうんです」という悩みを寄せてくれたアラフォーの女子SPA!読者が恋愛相談をすることに。その様子をじっくりお届けします。
――女性を見下すようなダメンズにばかり引っかかってしまい、自分には男性を見る目がないのではないかと悩んでいます。
内田春菊さん(以下、内田)「私も見る目ないですよ。語れるのは失敗談ばっかり(笑)。でも、最初からダメ男感を醸(かも)し出している男性なんていないじゃないですか。だから、見る目の“ある”“ない”ではないような気もしますけどね」
――確かに、付き合いはじめはいい感じなんですよ。ただ、しばらく経つと相手が主導権を握って都合よく振り回してくるんです。話し合いたくてもうまく話せず、そんな自己肯定感の低さがダメンズを引き寄せるのではないかと思っています。
内田「相手が『女性に主導権を握らせてたまるか!』って、言えない雰囲気に仕向けているんじゃないですか? 自己肯定感の低さだけが原因ではないと思います。
私も、仲良くなったとたんに態度を変えられた経験、いっぱいありますよ。あまりにも急に変わるから、『何かしたかな?』と相手を思いやってしまうと、だんだんと相手の要求が通るようになっていって、そのうち完全に相手のペースに飲み込まれてしまうんです。本人がどのくらい意識的にやっているかはわかりませんが、『あれ?』と思ったら逃げるとか、距離をとるくらいしか、逃れる方法はないと思います」
――どうしてそのような男性にばかり引っかかってしまうのでしょうか?
内田「私がカウンセラーから言われた言葉なのですが、『男性が相手を取り込もうとするのは、その女性が魅力的だから』だそうです。
相手をコントロールしたがる男性は、仕事をバリバリこなしたり、素敵なオーラが出ていたりする女性を子分にすれば、自分にハクがつくと思っていて、魅力的なのに物腰が柔らかい女性がいると、『コントロールしやすそうだ』とつけ入ってくるらしいです。
だからといって、『あら、私が魅力的だから子分にしようとしているのね』なんて思えませんが(笑)、私はそれを言われて気持ちがラクになったし、そういう風に思うだけでも、自分を傷つけずに済むなって思いました」
――正解にたどり着きたいとの思いから、これまで複数の男性と付き合ってきました。でも、結果的にダメンズばかりで、未だに独身です。若いうちにまともな男性と付き合ってゴールインするような勝ち組女性って、改めてスゴイですよね……。
内田「はじめからいい人を捕まえた女性が褒められる風潮なのは、結局は貞操観念と結びついているからでしょうね。だから、何人もの男性と付き合ってきたことを責められているように感じてしまうのかもしれません。私は『ダメだ』と思ったらすぐに別れていましたが、そのせいで“お盛んな人”だと思われたり、『ダメ男養成所』なんて言われたりしたこともありますよ。相手の数が多いのは、必ずしも幸せなことではないんですよね」
――そもそも、どうして女性を見下したり、支配しようとしたり、優位に立ちたがる男性が多いんでしょうね。
内田「世の中には、男の子というだけで下にも置かないような、チヤホヤした育て方をする親がいるので、そうやって育てられた男性なら、男性優位の思考になってしまうのも仕方がないのかなって思います。それに、『ダメ男養成所』みたいに、女性に責任を押し付ける言い方が一般的で、男が悪いというニュアンスを含む言い方はほとんどされません。そういう世間の空気感も、原因のひとつかなと思いますね」
男性は「魅力的な女性」を支配したがる
“恋多き女性”と思われてしまう悩み

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