はじめて彼氏に手料理を作ったら、とんでもない一言が…
毎日となると、面倒な食事の支度。でも、付き合って間もない彼氏にはじめて手料理を振る舞うときは、腕によりをかけて作った人も多いのではないでしょうか。
それもすべては大好きな彼氏のため。ただし、必ずしも喜んでくれるとは限らないようです。
「就職して2年目、社会人になってはじめて恋人ができて、付き合って3か月が経ったころに私の家に泊まりに来たんです。次の日は2人とも休みだったから自分だけ少し早起きして、カレのために朝ご飯の準備をしていたんです」
そう話すのは、最近は圧力釜を使った料理にハマっているという藤村咲子さん(仮名・28歳/証券会社)。実家の両親は共働きだったため、子供のころから自分で料理をする機会が多く、ひとり暮らしを始めてからは友達にもよく食事をご馳走していたとか。
ちなみにこの日は、ご飯に大根とワカメの味噌汁、焼き魚(塩サバ)、きんぴらごぼうとほうれん草のおひたしの和食メニュー。
8時前にようやく起きてきた彼氏は眠そうに目をこすりながらテーブルに並べられた朝ご飯をチラ。「コーヒーある?」と言われたので、インスタントですがエスプレッソを出してあげると、それをゆっくりと飲み始めます。
ところが、この直後に彼女が想像もしなかった一言を口にしたというのです。
「パンはないの? 俺さ、昔から朝はいつもパンとコーヒーって決めてるんだよね」
最初はパン派の人なんだくらいにしか思いませんでしたが、目の前に並ぶ食事も少し食べただけで箸を置いた彼氏を見て、自分の作った料理を食べるつもりがないのだと悟ったそうです。

「食べないの?って聞くと、『魚、苦手なんだよね』って。私も前日に彼に朝食のメニューを確認しておけばよかったのかもしれませんが、冷蔵庫には作り置きしていた筑前煮とか、明太子やふりかけ、納豆などのご飯のお供もあったからそれを勧めてみたんです。
でも、『俺はいいや』ってご飯やみそ汁も2~3口程度で、きんぴらとおひたしには箸さえつけませんでした。
けど、普通なら好みと多少違っていたとしても出されたものを食べるじゃないですか。それも彼女が彼氏のためにはじめて作った食事ですよ。百歩譲って、食べたうえで『不味い』とか言うならともかく、それ以前の問題だったので…。
悲しいやらみじめやらでカレに背を向けて、涙が出そうになるのをこらえるので必死でした」
その後、彼氏の口から食べられない物が多いこと、魚以外にも煮物など和食全般があまり得意でないことを聞かされたそうです。
「食物アレルギーなら仕方ありませんが、カレの場合は単なる好き嫌い。それまでも外では何度も食事をしていましたが、ここまで偏食だと思っていませんでした。
ただ、そうだとしてもせっかく作ったのに、ほとんど食べようとしなかったのはやっぱり許せないし、自分の中でカレに対する愛情が一気に薄れていくのがわかりました」

その後も彼氏のほうは何事もなかったかのように接してきたそうですが、咲子さんにはそれができませんでした。結局、この朝食の一件から半月もしないうちに自分からお別れしてしまったそうです。
「食事に関して以外は大きな不満もなかったですし、最初はこの人と将来結婚するかもしれないと思っていたんですけどね(苦笑)。
その点、今のカレはいつも美味しそうに食べてくれるので作りがいがあります。私だって『美味しい』って言ってくれたらやっぱりうれしいし、前のカレみたいなことを言われたら傷つきますから」
自分の作った手料理に対して、相手はどんな反応を示すか。もしかすると男性を見極める大きなポイントになっているのかもしれませんね。
―シリーズ「許せない一言」―
<文/トシタカマサ イラスト/真船佳奈>
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写真はイメージです(以下同じ)
パン派だった彼氏。ご飯とみそ汁の朝食は好きじゃない?

実は、ものすごい偏食だった

写真はイメージです(以下同じ)
今の彼氏はいつも「美味しい!」と食べてくれる
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。