
<排卵後は、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されます。急上昇した黄体ホルモンの分泌は、排卵した卵子が受精しなかったか、受精しても着床しなかった場合、黄体の寿命が尽きて(14日間ほど)急下降します。
そのとき、女性の体や心は安定を欠きやすく、大きく変化することがあります。これをPMSと呼びます。
憂うつになったり気分が不安定でイライラしたり、もちろんこうした現象にも個人差が大きいのですが、中には
むくんだり、頭痛・腰痛がひどくなるとか、吹き出物が出たり食欲がコントロールしにくくなるなど、つらい症状に悩まされる人もいます>(抜粋以上)
月経痛や、生理前のPMSに悩まされている女性は多いのではないでしょうか。筆者の知人には「イライラした気分が抑えきれなない。もうダメ! と学校を早退」「月経痛で顔色だけではなく唇まで真っ青。痛みで会社を欠勤したことも」「研修中に眠気に襲われ、我慢できずにウトウト」といったケースもありました。
「女性の体について知らなかったことを反省」男性の声
生理の悩みは十人十色。男性が理解に苦しむのは、当然なのかもしれません。ですが、村瀬先生が一橋大学や津田塾大学で行ってきた「セクソロジー」という講義で、女性の月経について学んだ男子学生たちからは、以下のような感想があったそうです。

<初めて生きた女性の性について学んだ気がします。これまで女性の性とか生理とか聞くと、卑猥、わいせつというイメージだけが浮かんできて、まともに考える機会は一度としてありませんでした。
ホルモンによってこんなふうに体の状態や心の様子が変わったり、性に対する気持ちにまで影響を与えるなどまったく知りませんでした。講義を聴けて、本当によかったです>
<久しぶりのデートなのに彼女の機嫌が悪く、自分は怒って帰ってしまいました。でも、先生の講義を聴いたら、あのときの彼女はPMSだったのかもしれないと思いました。当時、
PMSを知っていたら『今日はちょっと調子が悪いの?』と聞けたのに、と反省しています。彼女とのつき合い方を考え直そうと思えるきっかけになりました>
男性は女性の月経について、学びさえすれば理解を示してくれるのかもと希望が持てませんか?
最後に村瀬先生からアドバイスです。

「
いま自分がどういう状態のときなのか、知っているかいないかによって『関係をつくる』力はかなり左右されるはずです。月経の知識をパートナーと共有することは、コミュニケーションにもかかわってくるということです。ぜひ、パートナーには『私はPMSがひどくて、月経前はこういう症状になるの』など、細かな変化まで伝えておきましょう。
一度の月経期間はおよそ4~7日、月経周期は25~38日ぐらいとされています。仮に35~40年間、月平均5日としても、月経期間を合計すると約6年に及びます。これは男性が想像を絶する大変な現実。パートナーとの関係性も見つめ直しつつ、月経を
長期スパンの体や心の健康問題として捉えてみてください」
―大人が学びなおす“性”のこと―
<村瀬幸浩 取材・文/内埜さくら、女子SPA!編集部>