しかし、数週間後、なんと美由紀さんのFacebookに彼からメッセージが来たのです。
「仲良く話していたとき、うっかり本名を教えてしまったので、検索したんだと思います。探すのに苦労したことや、他にいい人ができていたら悲しい、もう一度話してほしいなどといった内容が書かれていました」
恐ろしくなった美由紀さんは返信をせずに、放置。彼のことは早く忘れ、新しい恋を見つけようと考えていました。
ところが、それから3か月ほど経ったある日。マッチした人に返信をしようと思い、いつものようにアプリを開くと恐ろしいトークが目に飛び込んできました。
「やっと見つけた。このアプリも使ってたんだね。いろんなアプリに登録して、美由紀さんのこと探してました。僕たちはやっぱり何度も巡り合う運命なんですね」
なんと彼はマッチする段階で避けられないよう、自分の顔を隠し、美由紀さんにコンタクトを取ってきていたのです。ゾッとした美由紀さんは、すぐにアプリを退会し、運営会社に通報もしました。
この一件以来、美由紀さんはマッチングアプリを怖く思い、使用できなくなってしまったそうです。
「もしかしたら、どのマッチングアプリにも彼が登録していて、私のことを探してるんじゃないかって思ってしまうんです。顔写真を載せたり、個人情報を書いたりすることが、もう怖いです」
自分たちの出会いを運命だと錯覚し、ネットストーカーと化してしまった男性。美由紀さんのトラウマは、月日が経った今もいまだ癒えていません。
マッチングアプリは効率的に出会える便利なツールではありますが、このようなリスクも伴うことを、心に留めておいたほうがいいかもしれません。
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291