――それはつらい経験ですね。
小住「ツテもないので、自分が食べておいしいと思ったお店に頼みこんで見習いをしながら生活をしていました。朝はチョコレート屋さん、昼はパン屋さん、夜はケーキ屋さんというように掛け持ちです。スタートが22歳とおそかった分早く一人前になりたくて、フィナンシェのお店でフィナンシェが作れるようになったら次はマドレーヌのお店で修行、などお店も転々としました。それらの修行を経て最終的にミシュラン2つ星レストランの副料理長になって、デザートを任されるようになったんです」
――辛い時期に小住さんを支えていたものはなんだったんでしょうか。
小住「『22歳の自分の決断を超える』という気持ちだけだったと思います。まわりの反対を押し切ってパリに行くと決めた自分を超えたかったし、あのまま日本で就職していた自分よりもっと幸せになろうと思ったんです。その気持ちがパリでの心の支えになりました」
――その後、大阪に帰られてご自分のお店を持たれてどうでしたか。

大きいKINGサイズもある
小住「父親のお店を継ぐのではなく、自分の名前と実力でやりたかったのですが、手元にお金がなかったのでクラウドファンディングでお金を集めました。そのお金を担保にお店をはじめたのですが、物件探しのゴタゴタや思ったようにお客様がこない、でも従業員を7名も雇っていて路頭に迷わせるわけにはいかないと、精神的に追いつめられて適応障害になりました。今でこそ、たくさんのお客様が来てくださっていますが、自分でお店を持つ大変さも味わいました」
――今後の目標はありますか。
小住「ミシュランで星をとることです。ミシュランの星を持っているパティシエって世界でパリに1人しかいないんです。日本でも海外でも星を持っているのは全員料理人です。パティシエが開くレストランを作って、野菜やフルーツなどを使ったコース料理を出して、日本初の星付きパティシエになるのが夢です」

モンブランとチーズケーキ
――ステキな夢ですね。
小住「お店をここまで育ててきたので、自分の名前でまだまだ勝負をしたいですし、従業員の人生を背負っている責任を全うしたいです。今、ミシュランで星をとれば『日本初』にくわえて、『最年少』という称号もつくので少しでも早くミシュランをとることを目標にしています」
「見た目で味は変わる」と小住さんは言います。小住さんの作るザブントンモンブランは、全く新しいスイーツを五感で味わうことができます。
小住さんの作る芸術的なスイーツで、新しい感動を味わってみてはいかがでしょうか。
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<取材・文/瀧戸詠未>