松本穂香「めちゃめちゃ笑って、めちゃめちゃ泣いた。本当に何度でも観たい」|映画『宇宙人のあいつ』
数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、話題作『宇宙人のあいつ』について語ります。

今回ご紹介する作品は、中村倫也さんの主演映画『宇宙人のあいつ』です。真田家は4人兄弟。両親はすでに亡くなり、兄弟だけで平凡に暮らしていた……のだが、なんと次男は宇宙人だった! しかも、あと3日で元にいた惑星へ帰る!! しかも、その宇宙人には宇宙から託された使命があって……!? といった内容。
とーっても! とーっても! 面白かったです!
もう本当に、最初からその独特で最高な空気感にツボを押されっぱなし。ところどころにちりばめられるおかしさとかわいさが、皆さんのお芝居と合わさって、ただの日常の中に消化されていく。それがとってもとっても面白くて楽しくって、愛おしさとしてどんどん私の中に残っていく。なんだろう……コメディというだけじゃなくて、深い深い愛情みたいなものをいろんなところに感じられる映画でした。
画の色合い、セリフ、家族のトーン、何もかもどっかズレているんだけど、それがとっても心地よくて、初めて観る映画なんだけど! 初めて見る家族なんだけど! ずーっと前から知っていたような安心感があって。あぁ、これ毎週観たいなぁと思うような。なんなら、最後にはこの家族の一員みたいな気分で観入っていました。
正直、観る前は「なんとなくシュールでちょっと泣ける! みたいな映画なのかなぁ?」とか、めちゃ生意気な心持ちで観始めたのですが、そんなもの余裕で超えてきちゃった。
みんな本気で普通に生きて、本気で家族だった。だからこっちもめちゃめちゃほっこりして、めちゃめちゃ笑って、めちゃめちゃ泣いた。
グッとくるセリフもグッとくる表情もスーッと入って、自分の中に溶けていく。だからちっとも重たくなくって、観終わったあとはむしろ自分の体が軽くなってる。本当に何度でも観たい。何度だって観られちゃいそう。たくさんの人に、この映画に広がる温かさに触れてもらいたい。そう思える映画でした。
●『宇宙人のあいつ』
配給/ハピネットファントム・スタジオ。長年地球人になりすましていた男の最後の3日間を描く。中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀、柄本時生らが出演。5月19日全国ロードショー ©映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちら
<文/松本穂香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

松本穂香さん
最後には、この家族の一員みたいな気分で、観入ってしまいました
みんな本気で普通に生きて、本気で家族だった
松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた