セックスレス妻が上司と“小指だけ不倫”。愚かだと思っても止まらない|ドラマ『あなたがしてくれなくても』
セックスレスという夫婦のタブーに切り込んだ、30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題のドラマを、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
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ドラマ『あなたがしてくれなくても』4回目。吉野みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、新名誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)、それぞれの夫婦の溝は少しずつ深くなっているようだ。
前回、みちと誠は水族館に行き唇を重ねた。そして今回はエレベーターの中で、誰にも見られず、下ろした手の小指だけを絡める手つなぎで話題騒然となった。言葉より行動は雄弁である。絡めた小指に気持ちが行き交うのが見てとれ、視聴者(特に女性たち)のドキドキを誘った。
既婚者の恋は愚かだとみちは言う。わかっていながらどうにもならないのが恋でもある。
そしてみちと誠は社員研修に出かける。おそらく自覚がないまま、鼻歌を歌いながら下着を選ぶみち。陽一が「楽しそうだね。去年は研修なんてって言ってたのに」と痛いところを突く。華やかな下着を選ぼうとしていたみちの手が止まり、ごく普通の無難なものを選び取っていく。たとえ不倫であっても、そうした恋心は止められないのだ。陽一が声をかけなければ、みちは華やかなものを選んでいたはず。
みちは混乱していた。急に優しくなった夫の言動に。実は陽一は店長を務めるカフェでアルバイトをしている結衣花(さとうほなみ)と衝動的に体を重ねてしまったことを、非常に後悔しているのだ。「みちに知られたら」という思いがいつもある。だから妻に優しくなっているのだ。
研修旅行で、1人部屋のみちの部屋に誠がやってきた。星の話をするふたり、誠がみちの手に手を重ねて引き寄せた。静かに倒れ込むふたり。だがなぜかみちの目から涙がこぼれ、それを見た誠は何もできない。
そして最後に誠は言うのだ。
「もう指一本触れません。だからそばにいてほしい。僕にとってあなたが必要なんです」
みちは言う。
「そばにいます」
プラトニックで恋を進めるということなのだろうか。セックスレスで苦しんだふたりが求めるのは、プラトニックな恋という不可思議な顛末(てんまつ)。もちろん、このままで話が進むわけではないだろうけれど。
ただ、実際に「体の関係をもたなければ不倫ではない」として、プラトニックな不倫を楽しむカップルもいる。
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「小指絡めて」の手つなぎで話題騒然
セックスレスで苦しんだふたりのプラトニックな恋
ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)は毎週木曜よる10時より放送中。第5話は5月11日(木)。
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