ちなみに「#あなたがしてくれなくても」というツイートには「気まずい」とワードがセットになっていることが少なくない。家族や恋人と一緒に見て気まずい思いを経験している人も多そうだが、「『家族で見てください!』と言えるドラマではないため、お茶の間が凍っている家庭もあるかもしれません」と言う。

第4話より
「かといって家族で安心して見られる内容に寄せると、それは違うと思います。そこは『1人でコッソリ見てください』と言うしかありません(笑)。ただ、
多少気まずくなってでも、恋人やパートナーとセックスレスを考えるキッカケになれば、と考えています。
基本的には“私が視聴者として見たいもの”を意識して制作しているため、多少なりとも女性向けになっているかもしれません。ただ、性別に関係なく、楽しめる内容だと自負しています。私自身も知り得なかった男性側の気持ちを本作を通して知ることができ、こうしたことが、男性が女性側の気持ちを理解することを助けることもあるかもしれないと感じています。いろいろな発見をしてもらえると良いですね」
ラブシーンに臨場感がある本作だが、決して艶っぽいだけの作品ではない。セックスレスというこれまでなんとなくスルーされていたテーマに真正面から踏み込んだ作品である。『あなたがしてくれなくても』が最終回を迎えた後、今よりもセックスレスはもちろん性に関する悩みが話しやすい空気感になっているだろう。
【前回記事】⇒
セックスレスを描いたドラマ『あなたがしてくれなくても』で、夫婦の家が“狭い”理由。プロデューサーが語る
<取材・文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):
@mochizukiyuuki