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「夫婦が障害を持つ我が子のために作ったアプリ」が日本で人気沸騰しているワケ。日本法人に話を聞くと

コロナ禍で「トドさんすう」のダウンロード数が急増

トドさんすう コロナ禍をきっかけに、日本で特にトドさんすうのダウンロード数が一気に増加したといいます。ユーザーからは、「何も教えていないのに九九や割り算、分数ができるようになった」という驚きの声がとても多いのだそう。 「ダウンロード数が増えたのはコロナ禍で親が学習の手助けをしなければならない場面が増えたためではないかと思っています。掛け算や分数の概念は、親が教えるのがとても難しい一方で、トドさんすうはそこを得意としています。掛け算では卵を使ったり、分数ではピザを使ったりと、具体物を活用して理解できるように設計しています。子どもは、初めは視覚的な助けを借りながら概念に触れますが、徐々にその助けがなくても問題を解けるようになります。 また、トドさんすうは言語設定を変えることができるので、英語モードで使用することで『数字や図形の名前を英語で覚えた』という口コミもあります。算数を学びながら英語に触れてほしいご家庭もあり、算数を学ぶために英語を活用されているんですね」

日本の公立小学校で導入された理由

趙さん トドさんすう、トド英語はデジタル教育政策が積極的に進められているアメリカや韓国の学校で多く導入されています。  アメリカの小学校や幼稚園で累計8000学級、韓国の小学校では900校以上で導入され、特に韓国では主に特別支援学級で導入されているとか(2024年12月時点)。  一方、日本では2024年4月から「トドさんすう」の導入を始めた都内の公立小学校があるといいます。きっかけは、特別支援学級の先生からの問い合わせでした。 「『試してみてすごくよかったので授業でも使いたい』とお問い合わせをもらいました。スモールステップで同じ概念を少しずつ異なる問題で繰り返し学べるところが良い、『先生に教わる』のではなく、子どもで試行錯誤して問題を解く経験を膨大にできるところが良い、と聞いています。我々は2024年から『クラスモード』という学校で使用していただくためのサービスもスタートしています。今は授業や宿題などに使っていただいています」  アプリ学習のメリットは、「子どものレベルに合わせて学びを進められること」と趙さんは考えています。 「学習の進み具合に応じて、初歩的なレベルから始めたり、より高いレベルからスタートすることも可能です。出題される問題はその子どもに合ったものなので、スモールステップで着実にクリアできます。その結果、楽しく達成感を味わえる仕組みになっています。 日本の親御さんの中には、ご自身が子どもの頃にアプリ学習の経験がないため、アプリに抵抗があったり、勉強は紙でするものという認識を持たれている方も多いかもしれません。ただ、今は弊社をはじめ、さまざまな企業が質の高いICT教材を提供していますので、オープンマインドで情報収集をされるといいかなと思います。 『子どもの数だけ学びの方法がある』と弊社のCEOが言っているのですが、それぞれの教材が子どもに合うかどうかは個人差がありますので、いろいろと試していただければと思います。楽しく学ぶ方法を見つけるお手伝いができることを、とても嬉しく思います」 <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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