「私がマスコットを掴んで思いの丈をぶちまけると、純也はさらにビックリ顔になり『え、それ作ったの俺』と照れくさそうにしていて、またはぁ?ってなりましたね」
実は、単身赴任で慣れない職場環境や仕事にストレスを感じた純也さんはSNSで見かけた“羊毛フェルト”に興味を持ち「これなら気楽に自分オリジナルの立体物を作れそう」と道具を揃えて、YouTubeなどで勉強しつつ自己流で腕を磨き、かなり完成度の高いマスコットを作れるようになりました。

「今はマスコット作りが一番のストレス解消法らしく、仕事から帰るとハイボール片手に毎晩チクチクやっているそうなんですよ」
新たな趣味となった羊毛フェルトマスコットのことを祥子さんに話そうかとも思いましたが、ストレスを抱えていることを伝えて心配かけるのも嫌だし、かと言ってわざわざ嘘を考えてまで話すのも違うと感じ、別に悪いことをしている訳ではないしまぁいいかとそのままにしてしまったそう。
「ビックリしましたが、元々純也はプラモ作りが好きで手先が器用だったので納得しました」
純也さんは「バレてしまったしもういいや」と祥子さんの目の前で楽しそうにマスコットを作る姿も見せてくれました。
「何だかほっこりしてしまって。練習のために作ったというマスコットをいくつも見せてもらいましたが、どんどん上手くなってゆく過程が見てとれて感心してしまいましたね」
そしてインスタにマスコットを載せる専用のアカウントまで作っていて、フォロワーは30人ほどでしたが朗らかに交流しているようでした。
「結局は私の取り越し苦労で、純也は潔白だったんです。ていうか純也の新たな才能を知ることができて改めて好きって思えたほどなんですよ」
ですがその3ヶ月後、再び祥子さんがサプライズで純也さんに会いに行くと……。