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アパレルの“感じの悪い接客”はブランディング? それとも逆カスハラ? ブランド炎上で見えた「90年代の負の遺産」

一部の「カリスマ店員」が残した負の遺産

 そもそもですが、アパレルブランドはブランドコンセプトによっては、感じの悪い接客態度をされるケースが少なくありません。これはカスハラ問題が認識されはじめた2010年代よりも随分前から、水面下で広がっていた問題です。 カリスマ店員 なぜ他業種の販売・接客に比べて、アパレルブランドの販売・接客に態度が悪いスタッフがいるのか。それは、90年代頃に流行した「カリスマ店員」の影響が特に大きいのではないかと考えます。カリスマ店員といえば、そうです。1990年代ファッションの聖地である渋谷109から生まれましたね。  当時、EGOISTという渋谷ギャルを代表するアパレルブランドで販売をしていたスタッフが、ファッション誌の特集で「カリスマ店員」と紹介されたことをきっかけに、その言葉が社会現象になるほど流行しました。  当時のカリスマ店員は、ただの販売員にあらず。今でいうインフルエンサー的な存在でした。しかもSNSがなかった時代、その場に出向かなくては会えません。狭い店内にファンが押し寄せ、スタッフが着たものが瞬く間に売れていくという、ファッション業界が異常なほど熱い時代でもあったのです。

「店が顧客を選ぶ」接客スタイルが目立つように

 身近に会えるちょっとしたアイドル的な存在となったアパレル販売員ですが、これをきっかけに一部で、アパレル販売員と顧客の立場が逆転。顧客が店を選ぶのではなく、店が顧客を選ぶような接客スタイルが数多くのアパレルブランドで目立っていくようになりました。  ブランドの中には「Mサイズ以上のサイズ展開はしない」「スタイルやビジュアルが良くない客が来店すると上から下まで舐め回すような視線で見てくる」といった、意地悪な接客にもつながってしまいました。  当然すべてのブランドがそうだとは言いませんが、1990年〜2010年代に青春時代を送っていた筆者にも、アパレル販売員から冷ややかな視線を送られた経験は何度かあるので、今回のpiumの接客態度が悪いという意見に対してすぐさま否定する気にはなれませんでした。
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意識を変えてきたブランドと、そうでないブランド
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