定期預金等の場合、現在の市況では利率が低いうえに、現金を下ろしにくくなるデメリットがあります。
定額自動入金サービスを備えている金融機関を新たに開き、貯蓄専用の口座として使うことにすれば、生活費とは別の銀行口座に普通預金としてよけるだけなので、いざという時にすぐに引き出せるうえ、
普段は見えないところに管理することができます。

貯蓄習慣を始める時には、自分の中で「この銀行は貯蓄専用」と考える、新しい口座を持つことそのものも効果があります。よく吟味したこだわりの銀行口座を開設し、定額自動入金を設定、貯蓄を自動化するとセットアップはひと段落です。
親が作った、勤務先から指定されている、友人に頼まれた…そういった理由以外に、銀行サービスを吟味して、主体的に銀行口座を開くとやる気のアップにもつながります。自分で選んだこだわりの銀行口座に、自動的に貯蓄が継続される仕組みを設定すれば、飛躍的に貯蓄できる体質に近づいていきます。
この、先取り貯蓄という考え方は、確かに理にかなっています。仮に、22歳で大学を卒業してから60歳までしか働かないと仮定すると38年。その後、60歳から90歳まで生きるとしたら30年。今、目の前のことだけを考えていると気がつきにくいですが、稼いで貯められる期間と、貯蓄と公的年金でまかなう期間の長さがあまり変わらない可能性も高いわけです。
そう考えると、今入ってきているお金は、すべて今使ってよいお金ではないことがわかります。収入が入っている期間は一定額、決め打ちで先取りして未来によけるのが安全です。
<TEXT/風呂内亜矢>
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【風呂内 亜矢(ふろうち・あや)】
ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。近著は『
最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(監修)、『
超ど素人がはじめる資産運用』『
ほったらかしでもなぜか貯まる!』