Fashion

ツイードがトレンドに復活。ずっと着られるジャケット、コートを選ぶには?

モードをリアルに着る! Vol.60/小林直子】  色にも流行があるように、素材にも流行があります。そのため、ある時期たくさん見られた素材も、そのピークが過ぎるとほとんど見なくなる、ということがファッションの世界においては起こります。  タイトシルエットが全盛のころ、ツイードに代表されるような紡毛素材の多くを店頭でほとんど見かけませんでした(ただし、シャネルブティックにはいつもツイードがありました)。  素材の表面に変化があり、厚みもある紡毛素材は、無駄を排除し、身体にぴったり沿ったタイトなシルエットを作るには適さなかったからです。
ツイード

一時期見かけなくなったツイードだが… ※写真はイメージです

 しかしシルエットがタイトなものからビッグなものへと変化するとともに、大きなシルエットの形を維持するために肉厚で重厚な紡毛素材の出番が再びやってきました。  その中でも今年は特にツイードが使われたジャケットやコート類が多く提案されました。

プラダの印象的なツイードのセットアップ

 2018年秋冬のプラダのコレクションで紹介された、ざっくりした糸で織られたカラフルなツイードのセットアップ。
 カントリーサイドに似合うような編み込みのセーターを合わせて、ツイードの手のぬくもりを強調しつつも、ソックスにハイヒール、ネオンカラーのオーガンジーが首元や裾(すそ)から飛び出し、単なるほっこりではないわよ、これはモードよ!と言わんばかりの印象的なルックでした。  ミウッチャ・プラダはツイードがお好きなようで、流行りとは関係なく毎シーズン、印象的な色、柄のツイード素材のアイテムを作っています。
 ちなみにツイードとは、もともとはスコットランドのツイード川という川の周辺で作られた、太い糸をざっくりと綾織りにした手紡ぎの毛織物のことです。  その多くは先染めの2色以上の糸を使って格子柄、ヘリンボーン柄などの柄模様に織られています。バラエティに富んだ色と柄、真冬のコートにふさわしい重厚感と暖かさが特徴の素材です。  そんなツイードのジャケットやコートをどうやって選ぶか、そして着るかです。

ビッグシルエットのツイードのアウターを選びましょう

ツイードはビッグシルエットのものを選ぼう ※画像:WEAR

 まずツイードのジャケットかコートを手に入れましょう。  今年あたりは市場にもたくさん出回っていますし、80年代、90年代の中古品の中にもツイードのものは多くあると思います。なぜならそのころ、多くのツイードコートが出回っていたからです。  これらを選ぶときは、ぜひビッグシルエットのものを選びましょう。目安としては中にジャケットや厚手のセーターが着られるぐらいの大きさです。

試着して重さを確かめて!

ツイード

コートは何年も着るもの。購入の際にはぜひ試着を ※画像:WEAR

 購入するときにぜひやってほしいのが試着です。  持ってみればわかると思いますが、厚地のウールのコートはずっしりと重たいです。実際に測ってみても重いのですけれども、これを着てより重く感じるか、それほど重く感じないかはパターンによります。
 気をつけていただきたいのは非常に悪いパターンのコートです。悪いパターンのコートは気分が悪くなるぐらい重く、1日着ていられないほどで、私はよくふざけて「背後霊が乗っているよう」などと言っていました。  なぜそうなるかというと、首の付け根と肩線との交点にコートの重さが乗るようにパターンを作らなければいけないところが、それができておらず、重さが乗るポイントが後ろや両脇にずれているからです。  こんなコートを買ってしまったらもう大変。買ったはいいけれども、着られないということになりかねません。コートはアイテムの中でも値段が高いものですし、何年も着るものですから、パターンが悪いコートは、それがどんなに安くても買わないようにしましょう。  大き目で、着ていても重さをあまり感じないような、そしてお気に入りの色と柄のツイードのコートを見つけたら、次はどう着るかです。
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コートの中に合わせるアイテムは?
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