着こなしが難しいサマーセーターを、スタイル良くおしゃれに着る方法
【モードをリアルに着る! Vol.86/小林直子】
多くの人が一度はサマーセーターを買ったことがあるでしょう。コットンやリネンのさらっとしたさわり心地の糸で編まれた春から夏にかけて着るセーターで、半袖、長袖、ノースリーブなど様々なものがあります。
けれども、このサマーニット、買ったはいいのだけれども、なかなか着る機会が訪れないという、少し難儀なアイテムです。
理由は、Tシャツに比べて編地が厚く、少しでも暑い日には着る気が起きないこと、かといって、ハイゲージで薄い編地のセーターを選んでしまうと身体のラインが見えやすいなどでしょう。サマーセーターを買ってみたのはいいもの、着てみたら暑いし、太って見える感じがするしと、そんなことを言っている間に夏が終わってしまった、そんな人も多いのではないでしょうか。
しかし、アイテムのバラエティをふやしたいなら、夏でもニットを選ぶのは悪くはありません。問題はどういったものを選べばいいのか、そして何と合わせればいいのか、です。
今回ピックアップしたのは、デンマーク・コペンハーゲン発、イギリスのロイヤルカレッジオブアート出身のセシルバンセン。
どこかで見た名前とスタイルだなと思ったら、2017年のモエヘネシー・ルイヴィトングループのファッションコンテストのファイナリストに選ばれた人でした。レースや刺しゅうなどを多用したクラフト感溢れる少女っぽい雰囲気のスタイルが印象的です。
そんなセシルバンセンの2019年春夏コレクションに、サマーセーターの素敵なスタイリングを発見しました。
最初に注目していただきたいのはこのルックが作っているシルエットです。上半身はタイトで下半身のスカートが広がっていく、典型的なフィット・アンド・フレアのシルエット。女性服の王道です。
シルエットがタイトなものになろうが、ビッグなものになろうが、このシルエットはあまりに完璧なため、トレンドが変わってもいつでも通用する普遍的なシルエットです。
身体にフィットしたセーターに広がるボリューミーなスカートを持ってくることで、この王道シルエットを形成。けれども、ここでパンプスを持ってきたら、50年代のスタイルになってしまうので、あえてスイコックの歩きやすいサンダルを持ってくるところが今風になっています。
まずはサマーセーター選びです。避けたいのは身体のライン、そして二の腕の太さが強調されることです。
そのためには、ハイゲージすぎない、つまり薄すぎない編地で、かつ半袖の袖丈が肘近くまであるもの、もしくは袖がないものを選ぶことです。編地にある程度厚みがあり、しっかりしていればそれほど身体のラインは目立ちません。
また二の腕の太さが一番目立つ袖丈は二の腕の一番太いところで切れているものなので、長いか、もしくは袖なしか、どちらかのものを選ぶといいでしょう。
サマーセーターを買ってみたのはいいものの…
サマーセーターにボリューミーなロングスカートの素敵な組み合わせ
クルーネック、肘までの長さがある半袖、オフホワイト、リブ編みでほどよく身体にフィットしたサマーセーターに、凹凸のある凝った素材のボリューミーなロングスカート。足元は日本のスイコックとのコラボレーションによるサンダルという組み合わせ。 セーター、スカート、サンダルというごく普通の組み合わせが、選ぶアイテムのバランスでモードな雰囲気になっています。普通なようでいて普通でないこのルック、どこをどうやったらこうなるのでしょうか。
王道シルエットにあえてサンダルをもってきて今風に
薄すぎない編地で袖丈が肘近くまであるものを選んで
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