秋の先取りは素材から。コーデュロイできちんとエレガントに
【モードをリアルに着る! Vol.95/小林直子】
素材にも季節ならではのものがあります。例えば、麻は春夏、またベルベットは冬というように、素材によって特にある季節によく使われるものがあります。
これらの素材は絶対にその季節にしか着用してはいけないというわけではありませんが、麻ならさらっとした触感が春夏にふさわしいと感じさせますし、ベルベットなら深い色味が冬の太陽光のもとで美しく見えるということから、その季節特有の素材になっています。
では、秋にふさわしい素材はあるでしょうか。
昔から秋物のジャケットやパンツ、スカートにはコーデュロイがよく使われます。コーデュロイとは繊維の毛羽が縦方向に畝になった織物で、主にはコットン、まれにレーヨン製のものもあります。
コットンですから1年じゅう着用しても構わないのですけれども、コーデュロイは毛羽立った触感の滑らかさや生地の厚さから、主に秋から冬にかけて使われ、春夏ものにはほとんど使用されません。
また、コットン製なので、その見た目とは裏腹にそれほどの保温性はなく、真冬にコーデュロイのスカートやパンツをはいたり、ジャケットを着ると寒く感じられるため、コーデュロイは特に秋に向いた素材と言えるでしょう。
見た目は秋なのだけれども、コットン製なのでそれほど暖かくはないコーデュロイ、暑さが残り、まだジャケットを羽織るほどではない秋の初めにはぴったりの素材です。そんなコーデュロイのルックが今回取り上げるアルベルタ・フェレッティのもの。
ハイウエストでタックが入ったワイドパンツに、ラグラン袖のたっぷりとしたボリュームのブラウスというシンプルな組み合わせには、ピアス、ネックレス、そしてベルトのバックルをゴールドで統一。茶系のグラデーションで全体をまとめることで秋らしい雰囲気を表現。
それだけではなく、ブラウスの裾をパンツに入れていること、前開きのボタンをきっちり留めていることなどから、ジャケットを着ていなくてもきちんとした雰囲気になっています。
ジャケットやコートが必要になる前の、まだまだ暑い時期、秋ならではで、かつ、こんなきちんとした装いができたなら、どこへ行っても堂々としていられるに違いありません。
こんなアルベルタ・フェレッティのコーデュロイルックを真似(まね)するために、まずはコーデュロイのパンツ、またはスカートを手に入れましょう。
8月も半ばを過ぎたころから店頭にはコーデュロイのアイテムがいろいろ並びますから、探すのには苦労しないでしょう。
今の気分で選ぶのなら、パンツだったら通常のウエスト位置より上の位置にウエストがあるハイライズのもの、そしてパンツの裾幅が広めのワイドレッグ、もしくはタックが入ったもの、スカートだったら、ひざ下丈で、後ろまたは脇にスリットが入ったペンシルスカートがいいでしょう。
秋にふさわしい素材、コーデュロイ
秋らしくきちんとした雰囲気
コーデュロイパンツは、ハイライズ、ワイドレッグが今の気分
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