きれいに消えるシミとは違い、「たるみの治療はすごく難しい」と上原先生。皮膚をベッドのマットレスに例えると、「たるんだ肌は、規則的に並んだスプリングがバキバキに壊れている状態。そこにキレイなスプリングを生やすのがたるみの治療」というから、確かに難しそうです。
そのため、たるみ治療の考え方は、「たるみの軽い状態を維持して、例えば40歳のたるみのままで60歳を迎えるような綺麗を目指す感じです」
治療法はたるみの場所や度合いでさまざまですが、上原先生のおすすめは、「HIFU(ハイフ)」という超音波レーザーによる治療。超音波を一点に集中させ、目的の深さにピンポイントでやけどを作ることで、脂肪組織を破壊したり、皮膚を引き締めたりして、たるみを引き上げるそうです。
「お肉って焼くと縮みますよね? それと同じイメージで、肌の中に人為的にやけどを起こして、伸びてびろ~んとなった部分を縮めていくんです」
初めの3回は3ヶ月に1回、4回目以降は半年~1年に1回くらいのペースで続けると、10年先にはかなりの差がついているようです。
なお、こちらは上原先生が顔の片側だけにHIFUを3,4回施して、効果を比較する実験をしたときの写真。見るからに右と左で違いますが、左右それぞれに反転合成した顔を見ると、元が1枚の同じ写真とは思えないほど差は歴然。
「私はこの実験で『HIFUすごい!』と感じました。ただ、ブルドックみたいなたるみが20代の張りに戻るわけではないので、たるみの強い人は、初めは効果実感が薄いかもしれません。なので、私はいつも“騙されたと思って”ではなく“騙されて”3回やってと言っています(笑)」
ちなみに、HIFUは照射の深さが3タイプあり、3ミリだと脂肪を破壊してくれるとのこと。たるんでほうれい線に載った頬の脂肪をなくせば、ほうれい線自体も目立ちにくくなるそうです。
とはいえ、上原先生は「広い範囲に照射していたら、脂肪が減り過ぎて頬がコケちゃったので、やりすぎ注意です」と、体験談を交えた注意喚起もされていました。
※編集部注:HIFUは、国民生活センターから「エステサロン等で皮下組織に熱作用を加え危害を及ぼすHIFU施術を受けてはいけません」と呼びかけがありますのでエステでは受けないよう注意しましょう。