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あえて“夜10時”にセックスレスのドラマを放送する意義。レスは「人を傷つける」|ドラマ『あなたがしてくれなくても』

 夫婦のタブーに切り込んだ、30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜夜10時~)。話題のドラマを、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
あなたがしてくれなくても

フジテレビ『あなたがしてくれなくても』公式ページより

『昼顔』スタッフ再集結。タイトルから意味深な作品

 9年前、上戸彩と斎藤工が共演して話題となったドラマ『昼顔』。今回、あのときのスタッフが再集結して制作されているのが『あなたがしてくれなくても』だ。夫婦のセックスレスに真正面から踏み込んだこのドラマ、原作はハルノ晴さんによる同名コミック(双葉社刊)。  そもそもタイトルが意味深だ。あなたがしてくれなくても、のあとに続く言葉を想像させられる。「あなたがしてくれなくてもあなたを愛している」なのか、「あなたが愛してくれなくても、私は外で性的満足を得るからかまわない」なのか。  夫婦のレスについては、長年、話題になっている。双方がしたくないなら何の問題もないが、片方が望んでいる場合、それは夫婦関係の破綻につながりかねない。一方が苦しみ、その苦しみを与えている側もつらい思いを抱えてしまう。

レス解消に動いても空振り、追いつめられていく

 ドラマでは2組の夫婦が取り上げられている。建設会社に勤める吉野みち(奈緒)とカフェの店長である陽一(永山瑛太)夫妻と、みちの職場の上司である新名誠(岩田剛典)とその妻で雑誌の副編集長である楓(田中みな実)。みちは2年間のレスをなんとか解消したいと思っているが、陽一はいろいろな言い訳をして先延ばししている。積極的に働きかけても空振りが続き、みちはだんだん追いつめられていく。
 一方、誠は多忙すぎる妻をフォローしているが、楓は仕事が最優先だ。あるとき、みちは新名に「誰にも話せなかったレスの悩み」を勢いで打ち明けてしまう。そこからふたりの距離が縮まるのか、むしろ広がるのか。そして夫の陽一は、カフェの前での工事関係者である女性と顔見知りになる。ここから人間関係がどう絡まっていくのか楽しみだ。
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仲良し夫婦で“セックスの話題だけ”避けられるリアル
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