W不倫相手の子を産む決断をした女性。いけないこととは思うけれど…
彼の子どもがほしい
気持ちが安定し、夫が優しくしてくれるようになった
その間、自分の子だと信じている夫は非常に優しくしてくれた。ショウイチさんとつきあうようになって気持ちが安定したレイコさんのことを、夫は結婚当初のように愛してくれるようになっていったという。
「不思議ですよね。一時はセックスレスだったのに私とショウイチさんがうまくいけばいくほど、夫ともうまくいくようになっていって。
私にとって夫がいちばん好きな人からはずれたから、夫はプレッシャーを感じなくなったのかもしれません。もちろん、夫は私がこんな関係を外でもっているとは知らないけど、私の態度が以前と違ったことは意識下で感じ取っているのかなと思うことはあります」
あと数ヶ月で、待望の子どもが生まれてくる。揺れていた心は現在、非常に透明に凪(な)いでいるそうだ。
「夫もショウイチさんも子どもたちも、みんなを全力で愛したい。全力で向き合っていきたい。今は強くそう思っています」
レイコさんの顔をふと見ると、仏像のような微笑みをたたえている。こういう関係はもちろん公にはできない。今後、何があるかもわからない。それでも彼女なら、乗りこえていくのではないか。全身全霊で人を愛することを知ったのだから。
<文/亀山早苗>
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フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio


