
広大なアメリカでは、義理の家族が東西南北の離れた場所に住んでいるケースも珍しくなく、最近ではZoomなどを使ったリモート義実家参りしかしたことがないという人もいるそうです。
距離の遠い義実家とは深い付き合いがなく、だからこそ良い関係を続けられると感じている友人も多かったのですが、逆に、義実家の近所に住んでいる人たちの中には、ひんぱんにアポ無し訪問され、イライラをつのらせている人もいました。
総じて上手くやっている友人が多い中、少数派ではありますが、「早く子供を作れ」「子供の学校はここにしろ」にはじまり、歯医者や車の車種まで指定してくる過干渉の義母に悩まされている人も見受けられました。
思ったことをそのまま言ってくるタイプの義母を持つ友人は、コロナ禍で子供が学校に行けず家にいるため、仕事を辞めなければならなかったそうですが、事情をまったく無視して再就職の話を持ち出す義母にイライラしているといいます。
以前も書きましたが、アメリカでは働かざるもの食うべからずという精神が年々強くなってきており、ダブルインカムが当たり前になりつつあるため、夫だけでなく義実家からの執拗な「なぜ働かないのか圧力」に悩まされている妻たちは多そうです。
隣の芝生はなんとやら、義実家と付き合いがないのも考えもの

私の場合、義姉の一人(次女)と妹(三女)は遠くに住んでいましたが、唯一子供を持つもう一人の姉(長女)だけは車で1時間程度の距離に住んでいました。
ちなみに、アメリカではニューヨーク市など車文化でない地域にいる人達を除き、3~4時間くらいのドライブは近距離に入ります。
しかしながら、何ごとに対しても不精な元夫は1時間の運転もしぶりがち。さらに「姉妹たちは俺を嫌っている」という極度の被害妄想を持っていたため、約10年間の結婚生活中、私が最短距離に住んでいた長女に会ったのは両手で数えられる程度。他の二人には2~3回しか会っていません。
それなのに元夫は私が離婚を切り出すと、秒で大きなワゴン車を持っている長女と連絡を取り、自分がキープしておきたい家具や骨董品などの一切を盗むように持ち出していきました。
よく友人たちからは「アメリカって家族行事が多いから疲れる」「義理の母や姉に夫への不満を相談したら、味方してくれて嬉しかった」という話を聞いていましたが、私にはまったくそんな経験はなく、それはそれで煩わしさがなくていいのですが、何もないというのも寂しいものでした。
もう少し義姉妹たちと交流があれば、もしかしたら私も、夫との関係を相談することができたのかもしれませんが、今さら考えても後の祭り。結局、私の性格上、相手がどう反応するのか怖くて夫のゲス不倫のことを彼女たちに暴露することもできなかったでしょうし。
ある所にはあるし、ない所にはない。離婚原因や夫婦間のあれこれ、そして義理の家族との関係性は、突き詰めていけば夫婦それぞれ。
これから国際結婚する方々は、海外にも義実家とのゴタゴタは「あり得る」と覚悟しておいた方がいいかもしれませんね。
―
私の国際離婚日記―
<文/左近サクラ>