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数年ぶりに肉を食べた衝撃。20代女性がヴィーガン生活をやめた理由

―連載「沼の話を聞いてみた」ヴィーガン女性の沼<後編>― 激しいダイエットで摂食障害寸前となり、粗食、マクロビ、有機野菜中心のベジタリアン、そして動物を搾取しないという信念に基づくヴィーガン(厳格な菜食主義)ライフへ――。 【前編を読む】⇒「焼肉なんて野蛮!」ダイエットをきっかけに過激な“菜食生活”にハマった女性の主張とは 【中編を読む】⇒「スーパーに並んでいるパックの肉に怒りを感じてた」菜食生活の沼にハマった20代女性の戦い
ヴィーガン体験談202303-3a

※写真はイメージです(以下同)

体調、目標、信念の変化。いるみるくさんさんが約8年間にわたる紆余曲折から、一般的な食生活に戻り始めたのは26歳のとき。友人と古民家へ移住したのがきっかけだ。

ひよこなら自分の手で…

「調理師免許をもっていたこともあり、私が食事を担当していました。するとしばらくして、友人が『ちょっとお肉も食べたい』と言うようになったんです。たしかに菜食生活で、友人が具合悪くなっちゃったらかわいそう。じゃあ自分が殺せると思う範囲の鶏肉あたりからはじめてみるね! となりました。卵を手にして『ひよこなら自分の手で処理できるよな』と確認して、調理する」 これは自分の残虐性を確認しているのではなく、「肉を口にするなら動物を傷つける精神的苦痛も引き受けなければならぬ」と考える、いるみるくさんのヴィーガン的信念だ。処理されてスーパーでパックされた段階からしか肉に関わらず消費することをずるいと長年考えていたというので、久々の肉料理はさぞかし抵抗があっただろう。

信念と生活は別モノ

「そうやって肉との付き合い方を見直していったら、生活というものは、信念とは別のところにあるという結論になりました。自分ひとりの生活じゃないんだから、これからは暮らしをもっと合理的に考えねばならんと。そうしているうちに流通に乗っかった肉を消費することを、ずるいと思う感覚も消えていきました」 数年ぶりに肉を口にすると「これこれ、懐かしい!」という感覚が弾けたという。体調は、肉を食べても食べなくても変化は特になかった。
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肉食を再開して、身体に変化は訪れたか
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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