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松本穂香が出会った「不快だけど、目が離せない“異色の傑作映画”」

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが1993年製作の異色作『悪い子バビー』について語ります。

いい意味で一貫性がない不可思議な作品

銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

 今回、わたしがご紹介させていただく作品は『悪い子バビー』です。1993年にオーストラリアで公開され、第50回ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞、20か国以上で公開されるも、日本ではVHSリリースのみという幻の作品。  そんな興味をそそられまくる映画が長い時を経て10月20日より日本でも公開されるということで! ひと足お先に楽しませていただきました。  いや〜フシギ面白かった〜。「これはどういう映画? どういうジャンルなの?」と聞かれてしまうと、「う〜ん」と唸ってしまうほど、ひとつひとつの場面が異質で、いい意味で一貫性がなく、シーンごとに違う映画を観ているようでした。

猫ちゃん好きは要注意なワケ

悪い子バビー

『悪い子バビー』より(以下、同)

 物語の冒頭は「ちょっと気分悪いかも?」→「うわぁめちゃめちゃしんどい!」というようにグラデーションなしに不快感がすごいスピードで感じられるのが印象的。この不快感には何とも言えない滑稽さも混じっており、新しい感覚でした。  チラッと注意喚起をさせていただくと、猫ちゃんがかわいそうなシーンがやや多めなので、猫好きな方はご注意を。(わたしはホラー映画でワンコが出てくるとハァハァと不安に駆られて映画どころじゃなくなってしまうタイプなので、事前に知りたい)  というように、冒頭はうすぐら〜い場面が続くのですが、ところがどっこい! 「え!? そんな展開アリ!?」と思うような物語がバビーの人生を徐々に彩っていきます。
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人間が生まれつき持っているものってなんなんだろう?
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