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松本穂香が出会った「究極のラブストーリー」得体の知れない恐怖の先には…

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、スペインで実際に起きた事件を基に映画化した心理スリラー『理想郷』について語ります。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

スペインの自然豊かな村は「理想郷」ではなかった

『理想郷』

『理想郷』より(以下同)

 今回、わたしがご紹介させていただく作品は、スペインのガリシア地方を舞台にした映画『理想郷』です。  野菜をつくり、緑に囲まれながら過ごす悠々自適な日々に夢を抱き、スペインの自然豊かな村に移住してきた、フランス人夫婦のアントワーヌとオルガ。しかし、そこで夫婦を待ち受けていたものは「理想」とは程遠いものだった。  心理スリラーと聞いて飛びついて観させていただいたのですが、いろんなものを超えてくる映画でした。

「あいつらは狭量だ」と思う私たちの視野もまた狭い

『理想郷』 冒頭は目を覆いたくなるような映像から始まり、その得体の知れない恐怖を植え付けられたまま始まっていく、村の日常。 「この村はゴーストタウン」と自らの故郷を諦める村の住人と、「この村は美しい」と夢を抱いて再生しようとする都会の人間。  偏見が圧縮されたようなこの村を見続けているうちに、どちらの意見が正しいのかわからなくなる自分がいました。「あいつらは狭量だ、野蛮だ」と思う私たちの視野もまた、狭いのかもしれないと。  ただ一つハッキリと感じられたことは、同じ人間なのに話が通じないことの恐ろしさ。そして、相手もまた、アイツは話が通じないと思っているということ。
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決して人間の恐ろしさを描くだけでは終わらず…
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