森林:AV女優と自分の体型を比べて、コンプレックスに感じてしまったりする女の人もいますからね。
湯山:日本の男はもはやAVが基準になっていて、リアルな女のたるんだお腹を見ると勃たないわけでしょ? 視覚じゃなくて、現実の相手の体臭や触感なんかも萎える原因、という。
森林:つまり、AV女優やアイドルのような二次元的なきれいな体で欲情することに慣れてしまって、
現実の隙だらけの女性では勃起できなくなっている、と。
湯山:その点、海外の、特にラテン系の男は「どんな女にも勃起するのが男の甲斐性だ」みたいなところがある。体重90kgくらいのムチムチ女性とスリムな美男カップルとかが普通にいるしね。
以前、スペインのイビサ島のクラブに行ったとき、プロレスラーみたいに強いゴリラのような女が、男と殴り合いのケンカを始めたのね。でも、しばらくするとその2人がチークタイムでいやらしい雰囲気になってるんですよ。「さっきまで殴り合ってた女に勃つんだ!」と、その男に感心しちゃった(笑)。
森林:そこまでいくとただの性癖って気もしますが(笑)。たしかに、海外の男性のほうが本能に忠実で、純粋な意味で“女好き”が多い印象がありますね。どんな女性にも興奮できるところを見つける、僕らAV男優の心構えに近いものを感じます(笑)。
湯山:日本の男の勃起要件はデリケートで、男のファンタジーに女が合わせてあげなきゃいけないから大変。私はそれもAVの弊害だと思うんだよね。「日本人はもうセックスしなくなるかもしれない」と思う原因のひとつはそれで、いくら恋愛の作法やメソッドを教えたところで、性欲がもはや生身の人間に向かないという流れは止められないんじゃないかな。