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ピルのメリットとデメリットは?女医が教える基礎知識

 避妊をしたいけれども、コンドームだけでは心もとない。生理不順にもいいと聞くけれどもなんとなく抵抗がある。こんな風に悩んでいる声をよく聞きます。ピルには、どんなメリットやデメリットがあり、どんな効果があるのでしょうか。

ピルのメリットとデメリットは?===============
Q. ピル(経口避妊薬)を服用していますか?

・服用している(81名)
・以前、服用していた(40名)
・服用したことは1度もない(178名)

回答時期:2008.07.29~2008.08.07
総回答数:299名が回答
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 ラブリサーチが独自に行ったアンケート『ピル(経口避妊薬)を服用していますか?』によると、ピルを服用しているもしくは以前服用していたと答えた人は40.3%。一度も服用していない人に比べてやや少ない数字という結果になりました。今回は、ピルを使って避妊をしたいと思っている女性のための悩みを解決できるような記事を書かせていただきました。ピルには、良い面と悪い面両方があります。長期的に使う場合には体にどんな影響があるのでしょうか。

ピルってそもそも何?



 いわゆる避妊のためのピルは、正式には「低用量ピル」と表現されます。望まない妊娠を避けるために使われるイメージかと思いますが、避妊しないまま性交渉をしてしまった後に飲む「アフターピル」とは違います。アフターピルとは、妊娠したくないセックスで避妊に失敗してしまった場合、72時間以内に服用するものです。

 アフターピルには高用量の女性ホルモンが含まれていて、体内で女性ホルモンの量を増やすことで、人工的に生理を起こさせるというものです。低用量ピル、いわゆる経口避妊薬よりもホルモン量が多いため、人によっては頭痛や吐き気、嘔吐や腹痛などの副作用を起こしやすいです。

 それに対して、低用量ピルは、21日の月経周期に合わせて毎日服用するホルモン剤で、女性ホルモンのバランスをとることで、かなり高確率の避妊効果が期待できるものになります。女性ホルモンのバランスをとることから、避妊以外にも、生理不順や酷い生理痛、PMS(月経前症候群)などで悩む女性の症状の改善にも効果があります。

Point:低用量ピルは避妊以外にも女性の体調管理に役立てられる薬です。アフターピルとは別物ですので注意しましょう。

ピルで避妊するメリットとデメリット



●ピルで避妊するメリット

 コンドームでの避妊に比べて、かなりの高確率で避妊効果が得られます。コンドームでは、使用方法によっては思っているよりも避妊失敗確率が高いのです。タイミング法といって、排卵期を避けた避妊を行ったとしても膣内で精子が次の排卵期まで生存していたら、妊娠確率はグンと上がります。「妊娠しにくくなってしまうのでは」と危惧する人もいますが、ピルの服用をやめれば、元どおり通常の排卵が起こります

 また、女性ホルモンのバランスが整うことで、メンタルが安定したり、生理不順や生理痛がなくなる、また、肌荒れが改善する場合もあります。ピルによって、生理開始日を正確に予測することができるので、旅行などの予定を立てるなど、プライベートのスケジュールにもきちんと管理できます。排卵によって卵巣が傷つくことで起こるといわれている卵巣がんや、女性ホルモンバランスの乱れが発症のきっかけになるとされる子宮ガンの発症リスクを減らすこともできます。また、子宮内膜症を予防する効果もあります。

●ピルのデメリット

 ピルのデメリットは、禁煙する必要があることです。ピル服用中に喫煙していると、血栓症のリスクが大幅に上がります。血栓という血液のかたまりが血管の中にできて、心臓や脳の血管の流れを遮断して、心筋梗塞や脳梗塞に繋がることもあります。

 また、ピルを飲んでいるからといって、コンドームを使わないセックスを行なっていると、性感染症のリスクが高まります。ピルは感染症を予防するものではないので、必ずコンドームは着用しましょう

ピルで避妊できる仕組み



 女性ホルモンには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類があり、この2つのホルモンがバランスをとって一般的な月経周期を作っています。そして、卵胞ホルモンと黄体ホルモンには、次の月経まで排卵が起こらないように排卵を抑制する効果があります。ピルにはこれらの女性ホルモンが入っているので排卵が起こらないのです。

 通常のホルモンバランスでは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの分泌を、性腺刺激ホルモンというホルモンが調整しているのですが、ピルを飲んでいる間は、この性腺刺激ホルモンの分泌量は低下しています。

 また、ピルは子宮内にも作用して、子宮内膜が肥厚するのを防ぎます。子宮内膜は、女性ホルモンの働きで妊娠した場合に備えて少しずつ厚くなっていくものなのですが、ピルを飲むと、脳は女性ホルモンが分泌されないと錯覚して、女性ホルモンが分泌されなくなって子宮内膜が分厚くならないのです。万が一排卵が起きてしまった場合でも、受精卵が着床しにくい状態になるのです。

 あとは、子宮の入り口にも作用します。ピルに含まれる成分には、子宮頸管から分泌される粘液の粘性を高めて、精子が子宮の中に入りにくくする働きがあるのです。

ピルでの避妊は体に負担がかかるのか



 基本的には、ピルによる体の負担はほとんどありません。ただ、ピルの飲み始めには、つわりのような症状が現れることがたまにあります、軽度の吐き気や乳房の張りなどです。月経と月経の間に、不正出血が起こる場合もあります。ただ、通常は2、3ヵ月したら治るので、様子を見ながら続けたら良いでしょう。

 あとは、ピルを飲んでいるからといってコンドームを着用しなかったら、性感染症のリスクが高まります。性感染症の中には、子宮頸がんを発症するものや、重症化すると将来の不妊に繋がるようなものもあります。

ピルを避妊目的で処方してもらうには



 避妊のためにピルを服用したい場合には、産婦人科を受診してください。避妊目的のピルといっても様々な種類があります。飲み忘れると効果がなくなってしまうので、必ず毎日飲む習慣が持てるピルを選ぶのが一番です。何ヵ月分まで処方してくれるかは、医療機関によっても大きく異なるので、一度近くの医療機関で相談してみてください。ただ、ピルの処方のための受診以外でも、定期的に婦人科検診は受けるようにしましょう。

 ピルを飲むことは怖いことではありません。正しい知識を持って上手に活用してくださいね。

▼ライター:山下真理子さん プロフィール
女医、タレント。岡山県出身。医師免許取得後は、医療だけではなく、美容、タレント、モデルとして幅広く活躍している。著書に『あなたの魅力が10倍増すセックス』『夜のお悩み相談クリニック』の他、写真集『診て感じるクリニック』がある。ファッション誌やラジオ番組、バラエティ番組にも数多く出演。

<コンテンツ提供/ラブリサーチ>
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