エミさんにアドバイスしたことは、「タイツは何年も履かないように」ということでした。冬服は1年で捨てることはあまりないですが、せめてタイツは買い換えるべきです。
そういう私も、昔はものすごく手抜きでした。ヒートテックもニットから見えていたでしょう。タイツも何年も同じものを履いていました。
しかし、29歳の時に自分の姿がマズいと気が付いて、タイツと下着をすべて買い替えたのです。
捨てたタイツは20本近くありました。
お恥ずかしい話ですが、その時に下着も初めて採寸してもらいました。その前は、ブラジャーも洗濯機で洗い、変形していることにさえ気が付かず身に着けていて、隠れるべきところが隠せていれば良い程度にしか考えていなかったのです。

身に着けるものが変わると、一気にいろんな持ち物の劣化が目に入ってくるようになりました。そこで気がついたのが、風呂上がりに使うバスタオル。どれも大学時代から使っていたもので、隅がほつれてボロボロでした。捨てた内の1枚には、かすれた字で祖父の名前が。
それは中学生の時に他界した祖父が、入院時に使っていたバスタオルなのです。それを「もったいない」と思い実家から持ってきて、29歳まで使っていたのです。タオルもすべて捨てて買い替えて「ふわふわのタオルってこういう手触りなんだ」と感動したのを今でも覚えております。
さらに、ストッキングの伝線によく気が付くようになりました。しかし、急にストッキングが伝線しやすくなったわけではなく、昔は伝線に気が付いていなかっただけだったのです。また、いろんな人から道を聞かれることが増えました。身なりが悪い人にわざわざ声をかけないですよね。
ちょっとした劣化でこまめにアイテムを買い替えたり、手入れをするようになると、男性からの扱いが変わってきます。エミさんも持ち物を変え、インナーが見えないように鏡を見てから外出するようになりました。初めはそうした外見改革を「こんなに努力している」と思っていたそうです。

自分が変化すると、彼氏ができる女性は昼休みに化粧直しをしたり、こまめにハンドクリームを塗っていることに気が付いたそうです。
しかし、彼女たちは「努力はしていない」と口をそろえて言います。その行動を目の当たりにして、エミさんは今までがいかにズボラだったのかを反省し、身だしなみを整えるようになりました。そうして数か月たち、「最近きれいになった」と言われ、同僚から紹介された男性と付き合うことになったのだとか。
出会いがないと思う方は、まず自分を変えましょう。男女を問わず、清潔感は普通のマナーですよね。普通の男性から相手にされないのは、あなたが普通以下だからかもしれません。
<取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:
@koakumamt